ひき逃げてんまつ記

ひき逃げにあってしまったワタシの覚書

Chapter11 夜の過ごし方

さて、売る程どっさりある入院ライフでの自由時間、ワタシは何をして過ごしていたのでしょうか?

昼間はリハビリだの検温だの病院関係者がやってくるし、多少頭も体もクリアなぶんケガ人なりに活動できます。

問題は夜

みなさん同じだと思うけど、夜が長いんですよね。

 

ここでシャバでの睡眠時間なんかをそのまま当てはめたりすると、イライラしてとてもやってられない。

それこそ以前書いたばーさんのごとく「眠れない‼︎」とキレてしまうことになると思います。

なのでワタシは最初から諦めてかかった。

”病院の夜は眠れなくて当たり前”

しんどけりゃ翌日昼にうとうとすればいいんだから。

 

それじゃその暗く長い夜をいかにして過ごすか?

その1 ありきたりだけど、iPhoneで音楽を聴く

その2 このブログの漫画ネタを考える

その3 同室ばーちゃん達を観察する

主にはこんな感じでしょうか。

 

特にその2は有効でしたね。

ネタには事欠かない入院ライフでしたが、指で表現するお絵描きアプリじゃあんまり描き込めず、それなりの工夫が必要だったのですよ。

考えすぎてかえって眠れなくなることも多々ありましたけど。

その3のばーちゃん観察は結構スリリングでした。

入院したての骨折手術待ちのばーちゃんがどうやら認知症で、自分の居場所と立場がどうしても覚えられず真夜中に歩いて帰ろうとして、焦ったワタシがナースコールを鳴らしまくったりとか。

だって明らか隣でゴソゴソ動いているんですよ、ベッド上絶対安静のはずの人が。

結局とんできた看護師さんにベッドごと拉致され、別室へ移動していきましたが。

 

そして2か月間の長い夜を経て退院し思い知ったのは、自分のベッドのありがたさでした。

ホントよく眠れるわ。

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Chapter10 手術色々

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そうそう、この漫画をアップした頃、ちょうど4回目の手術待ちの状態でしたね。

・・・4回目って・・・

事故直後は多分主治医ですらこんなに手術をしなくちゃならんとは思ってなかったに違いない。(確信)

もちろんワタシもです。

 

流れが変わってきたのは左手の骨折が発覚し、伝導麻酔で至急手術をすることになっちゃった2回目あたりから。

バッグ(皮膚を再生するための装具)の効果が出ず左足の皮膚移植手術が決まり、そこで改めてCT検査でチェックすると保存予定だった骨も手術したほうがよかろうと、どんどん手術回数が増えていったのでした。

 1回目の全身麻酔でえらい目にあってたワタシはとりあえずゴネてみたもの、麻酔の薬調整をしてあげるからと上手くなだめられ、まぁこんな体じゃいつまでたっても退院できないのは自分が1番わかっていたので諦めたというわけです。

 

で、初めにもどりますが、最初に警察に出した診断書によると、ワタシ骨折2か所で入院予定約2週間、全治3か月だったんですね。

そして再び警察に提出するべく書いてもらった最新版の診断書がこれです。

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さてワタシ、1年後に完全復活しているでしょうか?

ちなみにこれは体(整形外科)だけの話、実は今現在、顔(形成外科)の治療で他の病院へ通院しているのです。

なんか改めてかわいそうじゃないですか?ワタシ。

 

 

 

 

 

Chapter 9 ミニマリストへの道

もともとモノが多いのは苦手な方なので、52歳女子(?)にしては服はもちろん化粧品、アクセサリーなどの雑貨も少なめのはず。

でもまぁここまで少ないモノでの暮らしはさすがにしたことがなかったので、けっこう衝撃でした。

ほらこれを見てください。

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これだけのアイテムで本以外は増えることなく、病室の狭い空間で快適に暮らせたワタシ

そんなワタシが自宅に戻ってきて痛感したのは、なんて広々してるんだろう(普通のマンションですけど)、そしてなんていろんな物があるんだろうってこと。

 

うちの事情を打ち明けますと、ここ5年で家族が半分に減っちゃったので無駄にモノが多すぎるのは仕方がないにしても、調理器具関係があまりにもひどいので絶賛片付け中です。

正直ワタシはお料理熱心ではないのでね。

続いて食器にもぜひ取り組まねば。

お皿もカップも多分今ある量の1/5で大丈夫だと思う。

 

そして、病院のごとく小さな収納机ひとつで全て賄うとまではいかなくても、本の数を極力減らし服も小物もこれ以上増やさずよりコンパクトな生活を目指したいですね。

ミニマリストというとあまりにもかっこよすぎるけれど、不本意ながらミニマリストもどきの生活をせっかく体験できたので、この経験を今後に役立ててやろうと密かに企んでおります。

 

お次はワタシのケガ状態について。

 

 

 

 

Chapter8 お引越し

ええと、どうしてもワタシの性に合わなかった例のばーさんなんですが、入ってこられた当時から嫌な予感はしておりました。

 

「うちなぁ、病院のテレビはみぃひんねん。ほらこのスマホで見るからな。」

「透析中のおもちゃ、色々持ってきてんねん。CDいっぱいな。うちは洋楽とか映画音楽しか聴けへんさかいな。」

パソコンで検索してな、ずっと自分で食事療法してきたんや。」

「あ、その薬はうちには効かへん。先生に言っといてんか。」

株の配当金の件で銀行さん来るから、椅子欲しいねんけど。」

などなどまくしたて続け、どんな相手であっても相槌くらいしか許さない勢い。

病院を渡り歩き、各々のシステムもだいたい把握して、怖いもんなしのイケイケばーさんでしたね。

おんとし84歳

いや、エライとは思うんですよ?

よく勉強されてるし知識も豊富。

かなりリスキーな透析も前向きに取り組んでおられるし。

しか〜し!

これほど我が強いキョーレツキャラは、弱ってるワタシには辛すぎました。

 

そして”今すぐ何とかしろ事件”勃発。

その夜、ワタシは3回目の手術を済ませたばかりの絶対安静状態でした。

ばーさんの方は3日ほど前に足の手術を終え経過観察期。

これまでも痛い辛い眠れないを繰り返してはナースコールを連打していましたが、その夜は特にひどく、「何でうちがこんなしんどい思いせなならんの⁉︎ 今すぐどうにかして!」と午前2時すぎに看護師さんに食ってかかる始末。

 

はぁ〜、子供か・・・?

 

翌朝、ワタシにいたく同情してくれた夜勤の看護師さんが手配して、605号室から603号室にお引越しとなったのでした。

その後はいたって平和に過ごせましたが、2部屋またいでも時折聞こえるばーさんの大声のおしゃべり。

あの方はこれからもあのまんまを貫いていかれるのでしょうね。

 

さて次回はミニマリストもどきの簡素な入院グッズを大公開。

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Chapter7 病室での暮らし

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まずは上記の病室イラストをご覧ください。

大雑把に描いていますが、ここのいわゆる大部屋は、ワンルームをざっくりカーテンで4部屋に仕切ったものでした。

前にも書きましたが、ワタシは一面が窓側の明るい場所を与えられ、たとえペラペラのカーテンでもある程度プライバシーがキープできる空間で過ごせたので、ほとんどの時間ひたすら読書で時間を潰すハメになったワタシにとって、これはとてもラッキーなことでした。

 

同居人の方々は、ワタシと同じくほぼ足がヤラれて自立歩行困難、しかも高齢者のため自由に車椅子すら乗れずベッド上オンリーの人が多かったように思います。

大抵の方は手術後院内リハビリを2,3週間受けてから、7階へ移動し更に院内リハビリをそのまま継続するパターン(軽症の人)と、リハビリ専門病院を紹介されて早々に転院するパターン(重症の人)のどちらかになります。

実はワタシも2回目手術終了後転院を勧められたのですが、それから急遽追加手術が決定し、やむなくそのまま6階(救急病棟)に居座ることに。

一番若くてとりあえず車椅子でウロウロしまくっていたワタシが、最後まで残っちゃうってどういうことよ、ホントに!

 

おかげでいろいろなお年寄りをウオッチングさせていただき、それはそれで面白く興味深かったのだけど、たった一人だけどうしても我慢できない人がいました。

見方によっては頭のいいおもろいばーさんなんだろうけど、多分ワタシの性格上ムリな方だったんだろうと思います。

次はピンポイントでその方のお話です。

Chapter6 水分の取り方

食事はたとえ半量で放棄しても大して支障はないのだけど、水分ばかりはそうはいかない。

ましてや院内の乾燥しまくり状態はChapter4でも書いた通りです。

そしてこの病院では基本配茶サービスを行っておらず、朝昼夕食時のお茶はもちろん、合間の水分も自力で調達しなくちゃならないのです。

動けず家族のフォローも難しい患者に対してはある程度助けてはくれますが、さすがにずっとは無理みたい。

 

ワタシの場合、ベッド上安静中はペットボトル水を買いだめしておき、例の吸い口に移して飲んでおりました。

吸い口でっせ?

よく病人の枕もとに置いてあるアレです。

何しろ500mlのペットボトルすら持てないので。

コレのおかげで最初の1週間を乗り切ったようなものでした。

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そんなこんなでようやくたどり着いたお茶デビュー。

車椅子で給湯器のある談話室まで行くことが可能となり、1日4,5回の給茶が日課となった頃にスタバのタンブラーを使い始め、これが少々使いづらかったので耐熱マグ(借り物)に変更し、結局退院までお世話になりました。

こういったなんでもない移り変わりが、まさしくワタシの回復度を表していますね。

 

次回は再び同室ばーちゃん達のお話です。

 

 

Chapter6 体のダメージと向き合う

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事故後このマンガの通り次々現れる体へのダメージに耐え続けることになります。

それがまさしく入院生活。

中でもエラかったのはやはり手術でした。

打ち身、擦り傷はどんなに酷くてもその場で処置して終了、あとは日にち薬で治りますよね。

そう簡単に処置不可の骨折なんかは後日手術となりますが、これが何回受けてもツラい。

何がツラいって術後麻酔が切れてからの気分の悪さやら痛みもさることながら、引き続きされる点滴やら繋がれたまんまの装置やらがツラい。

それに比べれば少々痛くったってリハビリなんかへのかっぱよ。

これもひとそれぞれであくまでもワタシの場合ですが。

また後日詳しく説明しますね。